2008年08月30日

いのちの軽さ

アフガニスタンでペシャワール会の青年伊藤和也さんが拉致され、殺害された事件はあまりにも痛ましい。

いのちの軽さ

中村哲さんが代表を務めるペシャワールの会は、
1980年代からアフガン難民のための無料医療を行い、何万人の命を救った。
また、中村医師は医療活動のかたわら、干ばつで砂漠と化した水田に水を引くため
日本人のスタッフと多くの現地人が協力して数百の井戸を採掘し、緑の大地の回復に力を注いできた。
 いのちの軽さいのちの軽さ











(画像は干ばつで干上がった水田と、五ヶ月後、地下水路が出来、緑が復活した同じ場所の田畑)

数年前、中村哲さんの講演会が静岡であり、聞きに行ったことがある。
その頃、医師はあちこちで講演会に呼ばれ、ひっぱりだこ。
静岡へ講演に来た時も、疲れからか、新幹線で寝過ごしてしまい、
1時間以上も送れた講演会になったことを覚えている。

悲惨な状況を伝えるアフガニスタンの現状を描いたドキュメンタリーには泣けてしかたがなかったが、
中村さんの話は、時にユーモアをまじえ、朴訥と語りながらも、現地に住む人たちへの愛情に満ちていた。

その中村さんの一番恐れていた事が起きてしまった。

逮捕された犯人と思われるゲリラは20代の青年。
殺すか殺されるか、不幸にも人間殺人兵器として育てられたであろう。
彼に、伊藤青年のアフガン人に対する無償の愛は伝わらなかったのだろうか。
命の重さを認識することはあったのだろうか。

伊藤さんのやさしい笑顔の写真を見るたびに、中村医師がどんな思いでいるか、
ご両親の気持ちはいかばかりか、いたたまれない気持ちになる。

あらためて、中村哲さんの著書「医者井戸を掘る」を読み返してみたくなった。


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Posted by kittsan at 22:41│Comments(2)社会の事
この記事へのコメント
本当に同じ思いです。
尊敬する中村哲さん。
彼の淡々としてかつ重みのある語りに胸を打たれました。
自分が出来ること全てをペシャワールに懸けたいと思わずにいられませんでした。

あの活動に対し、こんなことが起こっていいものか、あの伊藤さんの微笑みの写真が無念で痛ましくてたまりません。
ご家族はもちろんのこと、中村さんをはじめ、みなさんの心が、心配です。

自分が正義となると、相手は悪。それで起きる戦争。
いのちがいのちでなくなり、多く奪った方が良しとなる。
悲しみの連鎖、戦争を世界中で終わらせるために、
恵まれた私たち、被爆国で世界の中で平和に最も近い私たちが
動かないとなりませんね。

私も先日、記事を書きました。
Posted by ゆいまーるゆいまーる at 2008年08月31日 06:24
こういう事をブログに書くのはほんとうに迷います。
何を書いても、空しく、嘘っぽくなるからです。
でも、どうしても残しておきたい気持ちに押されました。
青年のお母さんの「りっぱだった。でも、おまえはバカだ。」
といった言葉の前で、私たちは沈黙するばかりです。
Posted by kittsan at 2008年09月03日 23:19
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    コメント(2)