2011年02月17日

興味から恐怖へ/佐々木尚俊著「キュレーションの時代」

こういう事、「天啓」って言うんでしょうか。
まあ、そんな大げさなことではないのですが、
新書「キュレーションの時代」との出会いは、そんなようなものでした。

2月12日、朝日新聞の朝刊、書籍の広告欄。

興味から恐怖へ/佐々木尚俊著「キュレーションの時代」

「キュレーションの時代」「つながり」の情報革命が始まる

情報の常識は、すべて変わった!
自ら情報を選んで、意味づけし、共有する「一億総キュレーション」の時代がやってきた!
シェア、ソーシャル、チェックインなどの新現象を読み解き、大変化の本質を探る。


著者のことは、新聞や他の人のブログで聞いたことがある程度。
「キュレーション」と言う言葉も、「目利き」としか理解していない。
でも、筆者の顔写真入りの新聞広告を見て、とっさに
「欲しい! 読まなくては。」

その日の用事ももどかしく、戸田書店に向かう。
戸田書店では、その本は山積みに。
いったいどの位の人が読むことを予想しているのだろう。

興味から恐怖へ/佐々木尚俊著「キュレーションの時代」

目が疲れるから、イッキにとまではいかなかったけれど、
読み途中の、「西行花伝」「芸術闘争論」「醜い日本のわたし」を
飛び越して、3日で読んでしまった。

凄い!。実に面白い本です。
本当に、筆者の言っている現象が世の中に起こりつつあるなら、
十年後(いや、もっと早く)、情報社会は革命的に変わっているでしょうね。

キーワードは「キュレーター」が起こす「キュレーション」。
コンテンツより、コンテキスト(文脈)が重要。(村上隆と同じだ。)
ソーシャルな世界で、チェックインし、シェアが起きる。
マスコミやブランドは置き去りにされていく新しい時代。

その変革を、映画・美術・音楽の世界の具体例を上げながら、
丁寧に読み解き、解説していきます。

率直に言って、棺桶に半分足を突っ込んだ年代の私には、恐怖でした。
こんなことになったら私はどうなるの?我が社は?
軸が定まらない、正論など与えられない不安。

未来は「カオス」に満ちている。
でも、キュレーター化した私やあなたが、光を放ち、光を求めていく「コスモス」。
そう信じて、この本をぜひ、読んで下さい。



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Posted by kittsan at 09:07│Comments(4)本の事
この記事へのコメント
「キュレーションの時代」、立ち読みしました。
 キュレーター(目利き案内人)の存在がポイントか?
 コンテンツ(中身)をコンテキスト(文脈・状況)で立体的に
捕えること。これは洞察力と知識力が必要ですね。
 また、背伸び記号消費の終焉、新たなパラダイム転換期に
 なった事は肌で感じます。マスコミやブランドの衰退も‥
 IT革命の新たなる進化でしょうか!! 

トフラー 「 第4の波 / 右脳思考 」
 ドラッカー「 自ら、イノべートせよ 」
 コトラー 「 C to B 」
 田坂広志氏「 5つのパラダイム転換、ヘーゲル弁証法 」
 岩崎邦彦氏「 個性化スモールビジネス 」

 成熟した文化とは「目に見えない価値」を見つけること。
モノよりサービスに感動し、共感・共有する時代に‥
 ビジネスホテル / 東横イン と 能登 / 加賀屋旅館、どちらも
目に見えないサービスがあります。
Posted by せきさば at 2011年02月18日 14:49
Thanks せきさばさん。

この本の要旨は、キュレーターが起こすキュレーションなんでしょうけれど、
そんな簡単にキュレーターには成れませんよね。

むしろ、私たち凡人に出来ることは、「チェックイン」すること。
そして、ビジネスでは「チェックイン」されやすい環境を作ること。
・・・なんではないでしょうか。

今日からの「ものづくりフェア」では、サービスの入り口、
「チェックイン」を学んできます。
Posted by kittsankittsan at 2011年02月19日 06:02
kittsanさんへ

わたしもようやく「キュレーションの時代」を
読み始めました。
本筋とは関係ないのですが、
以前から一度はライブを観てみたいと思っていた
「ジスモンチ」が、取り上げられているとは。
ソーシャル・メディアの電波力は、
想像以上なのかもしれませんね。
Posted by unnounno at 2011年02月19日 10:46
Thanks unnoさん。

私よりはるかに情報量の多いunnoさんが、
この本を読まれてどんな感想をお持ちになったか、興味津々です。

実際、「チェック・イン」したことで、私のブログにも大きな変化がありました。
それを、肯定するか、恐怖ととるか、今のところ判断できませんが・・・。
Posted by kittsan at 2011年02月20日 00:00
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