2018年11月16日

ブログサイト移動のお知らせ

「kittsan流」ブログを書いている杉山吉孝です。
日頃、kittsan流ブログを訪れて頂きありがとうございます。

eしずおかブログ様で10年ほどブログの勉強をさせて頂きました。
この度、10年目を境にkittsan流ブログは
タイトルはそのまま、ブログサイトを移動しました。

「kittsan流」ブログは2018年より
下記のサイトにてご覧いただけます。

はてなブログ内 kittsan流  https://kittsan.hatenablog.com/

eしずおかブログ様には大変お世話になりました。

更に楽しいブログを書くことを目標に、
これからも続けていきたいと思っております。
どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。


  

Posted by kittsan at 10:13Comments(0)ブログの事

2017年12月28日

今年(2017年)観た映画・・・少な~い

今年は秋以来気分が優れず、
好きな映画を観る気がしなかった。
見落とした話題作が多く残念。

アメリカ映画「スノーデン」(オリバー・ストーン監督)
アメリカ映画「沈黙-サイレンス」(_マーティンス・コセッジ監督)
日本映画「彼らが本気で編むときは、」(荻上直子監督)
アメリカ映画「ラ・ラ・ランド」 (デミアン・チャゼル監督)
台湾映画「クーリンチェ少年殺人事件」(エドワード・ヤン監督)
アメリカ映画「ムーンライト」(バリー・ジェンキンス監督)
イギリス映画「私はダニエル・グレイグ」(ケン・ローチ監督)
アメリカ映画「メッセージ」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)
日本映画「彼女の人生は間違いじゃない」(廣木隆一監督)
日本映画「夜空は最高密度の青色だ」(石井裕也監督)


改めて思うのは、
若者が主人公の映画が良かったこと。










「彼らが本気で編むときは」
「彼女の人生は間違いじゃない」
「夜空は最高密度の青色だ」

この3本の日本映画は
同調圧力が充満するストレスフルな社会の中で、
今に生きる若者の不安と自信を
誇張なくポジティブに描いていて気持ちが良い。

日本映画は今、俳優も監督も見事に世代替わりして
多様なスタイルの映画が花開いているのではないか。

外国映画ではアジアの映画が少なく、
特に世界で評価の高いフィリピン映画が
静岡では一本も公開されないのにはがっかりした。

来年も良い映画に巡り会えますように。
  

Posted by kittsan at 17:12Comments(0)映画の事

2017年09月13日

タイトルがカッコいい/日本映画「彼女の人生は間違いじゃない」&「夜空は最高密度の青色だ」

最近、タイトルに惹かれて観た、若者を描いた日本映画2本。

「彼女の人生は間違いじゃない」 廣木隆一監督
「夜空は最高密度の青色だ」 石井裕也監督


ともに最近の日本映画の傑作だと思う。



日本映画 「彼女の人生は間違いじゃない」

まず 、タイトルがいい。
主役の女優さん(瀧内久美)が自然体で、もの凄くいい。

東日本大震災から5年。
普段は市役所で働き、週末は高速バスで上京し、風俗嬢として働く。
被災地福島と東京を行き来する女性の日常とその思いを描いた力作。
津波で家が流されても、家族が亡くなっても、
昨日の次に今日があり今日の次には明日が来る。

「この世界の片隅に」のすずさんの描き方より現代的に思えるのは 、
自分の生き方に死ぬ程葛藤している人間がそこにいるから。
だから、「彼女の人生は間違いじゃない 」と納得。

(静岡シネギャラリーで鑑賞。)





日本映画「夜空は最高密度の青色だ」

いや〜、おもしろい映画だった。

何よりも、主人公たちがみせる次の行動に
 
 どんな事を言うのだろう?
 どんな表情を見せるのだろう?
 どんな行動に移るのだろう?

と言うことが予想がつかないどころか、
その事がもの凄く新鮮に感じた映画だった。

そう感じたのは、出処が
「夜空は最高密度の空色だ」と言う詩集だった事や、
石橋静香、池松壮亮の演技を感じさせない
生の若者そのものの姿によるのだろう。

イラつき疲れて煙草ばかり吸っている二人。
汗と埃と泥にまみれた工事現場の日雇い労働の男達。
酒と騒音とケバいヒカリに晒されたガールズバーのおんなたち。

私達の常識的な情報に包まれた今の時代を、
東京と言う寝れない都会の表面をすぱっと切って
中身を晒して見せてくれた映画。

日本映画「夜空は最高密度の青色だ」(石井裕也監督)
(東京出張中、キネカ大森にて鑑賞)


  

Posted by kittsan at 19:01Comments(0)映画の事

2017年08月25日

鬱になった。

やる事が重なって、それがうまく進まなくて、
問題が次々に起きて、期限がどんどん迫ってきて。

食欲が無くなって、体重が段々減ってきて、
起きているのが大変で、横になってばかりいて。

人に会ったり、電話するのが億劫で、
mailやfacebook、新聞も本も映画も見る気がしなくて。

6~7月は経験した事がない鬱状態だったかも・・・。

・・・そ んな胸の重りがいつの間にかスーッと消えたのが8月のいつか。

早朝ウオーキングを再開して、朝食を作るようになり、
新聞を読んで、メールを見て、facebookに投稿し、
お腹一杯食べる様になり、体重が増えてきて、
ようやく仕事の方も計画的にこなせる様になりました。


そして、明日のビジネスを考えるセミナーにも参加する程前向きに。

・・・と言うわけで、同夜同所 (8/24・b-Nest) で開催された
「EC最新技術活用入門」講座と
「ドラッガー研究会」とをハシゴしてきました。



どちらでも初対面の人と会話する機会があって、
久し振りに新鮮な空気を吸いました。

ノイローゼは治ったのでしょうね。
  

Posted by kittsan at 21:40Comments(0) 私事

2017年05月18日

肺に影がある?

1月に脊椎間狭窄症の手術をして約2週間後、
無事退院してさらに数日後、
年に一度の会社の健康診断がありました。

血液検査、心電図、胸部X線検査、血圧他
ひと通りの検査を受けた後、しばらくして結果が来ました。

「胸部X線検査で異常陰影が見られます。
3ヶ月後に再検査をお受けください。」

エエッ! 肺に影がある?
腰の手術で入院したばかりなのに、
また、肺に何かの病気があるなんて・・・。

この歳になるといい事は考えません。
二人に一人はなるという、あの成人病が私にも来たか!




若干の不安を抱えながら、3ヶ月経った先日再検査に行って来ました。
同じ様に胸部X線検査をした後、担当の医師の説明がありました。

「健診の時、肺の両下肺葉に湿潤影がありました。
普通こう言う所に余り影は出ないのですが、何かあったんでしょうか?」

そう言えば・・・。
背骨を安定させるため、手術後3ヶ月間は腰から胸に掛けて
コルセットを締めていなければならない状態にあった。
健診の時は付けていたコルセットを一時的に外して診察を受けた。

そうですか・・・。
何かで肺をギュッと締め付け圧迫すると無気肺状態になる。
一時的に肺のカタチが狭くなってしまうんですね。
コルセットを外しても直後は戻らないから。
・・・病名は「板状無気肺」とあった。

なるほど・・・。
3ヶ月経った今はコルセットはしていないから
湿潤影はありません、になるのか。

と言うわけで、ひとまずは安心の再検査でした。
  

Posted by kittsan at 09:51Comments(0) 私事

2017年02月17日

病気いろいろ 人生さまざま

2週間の病院生活で、同室となった何人かの方々。
カーテン越しに話が聞こえてきたり、親しくお話させて頂いたり。
ほんとうに、病気いろいろ人生をさまざま、でした。



タクシー運転手の30代のAさん、お年寄りの車に2回も追突され、
首のヘルニアで手術のため入院。
入院費は相手の保険で出るようですが、
加害者は一度もお詫びも見舞いも無いそうです。

そのA君、新しく入院した男性が病室で看護師や事務員と
手続きの話を大きな声で長時間話していたのに激怒。
「そういう打ち合わせはロビーでやってくれ。
こっちは傷が痛くて余計イライラさせられる。」
カーテン越しに聞いていた私はドキッとしたのですが、
手術前の人と手術後の人のストレスの違いが歴然としていました。


本を読んでいると隣から何やら異様な匂いがしてきました。
看護師さんが寝たままのBさんの姿を見て、
「Bさん、パジャマが濡れちゃってる。
あらあら、全部でちゃったねぇ。」
「便が出そうだったけれど、看護婦さんがあんまり忙しそうだったので、
ナースコールを押すの悪いと思っちゃったんだよ。」
数人でシーツから何から総入れ替え、窓も開けて消臭剤をふり撒いていました。


ある資料によると、多くの少年たちの普段使用している言葉の
ベスト3は「ヤバイ」「キモイ」「ウザイ」だそうです。
サッカーのゴールキーパーで手の平を骨折した高校生のC君。
ベッドでレポートを書いて熱心に勉強して居たのですが、
手術後は傷が相当痛かったのでしょう。
「ああ、やばいやばい。」
「どこの指が痛いの?」
「親指がヤバイ。」


私と同じ脊椎間狭窄症の手術で同室した愛想のいいDさん。
私と同年代の方で、奥さんと息子さん娘さんが毎日来ます。
冗談言ったり笑ったり、とても楽しそうな雰囲気。
奥さんによると、そのうちお爺さんも見舞いに来たいと言っているとか。
仲良し家族の家庭内風景が目に見えるようでした。


私の退院の前日に入院されたEさん。
看護婦さんが、体温計と血圧計を持ち出し
「Eさん、体温と血圧を測りますのでお願いします。」と言うと、
「もう測ったよ。」と自分で持って来た体温計と血圧計で測った数字を
見せているようです。
看護婦さんはちょっと困った様子でしたが、更に
「普段飲んでいる常備薬も入院中は病院で管理させて頂きますので
出してください。」と言うと、
「俺は全部自分で飲み方が分かっているから自分でやるよ。」
自己管理の行き届いた御老人のようですが、
看護師さんは戸惑いながらも、説得に勤めて居ました。


短い間でしたが、色々な方と歓談させて頂き、
痛くもあったけれど、有意義な興味ある入院生活でした。


  

Posted by kittsan at 10:00Comments(0) 私事

2017年02月01日

1950年代の静高生を描いた小説/三木卓著「柴笛と地図」

今迄、あまり知らなかった作家「三木卓」
全く聞いたことがなかった小説「柴笛と地図」(集英社文庫)

この物語が1951年から54年まで、静岡高校で過ごした主人公の
少年の思春期を描いた、氏の自伝的小説だったとは・・・。



当時静高(旧制静岡中学)は静岡大空襲で焼かれ、
駿府城趾にあった静岡三十四連隊の兵舎を使って授業が行われ、
そのため「城内高校」と呼ばれていた。
今の長谷町に戻り、再建されたのは1953年、
その秋、校名も静岡高校となったそうだ。

この本を読むと、当時の静高生がこんなにも大人びていたのか
と、只々驚く行動ぶりが展開される。

社会科学研究部に入り、共産党の党員になるコースが十代からあり、
マルクス、エンゲルスの「空想から科学へ」を議論する。
西洋音楽(クラシック)に於ける造詣はプロ並み。
野村胡堂(あらえびす)の音楽評論が出て来るは
ヌブーやカペー弦楽四重奏団などの演奏批評の数々。
文学は勿論、太宰治から小林多喜二、中野重治と、
デカダンスから共産主義の作家まで、びっくりするほどの読書量。

そして、今は懐かしい静岡市の場所や店の名前。
開かずの踏み切り「八幡の踏切」、クラシックを取り寄せるなら「すみや」
どこへ行くのも自転車で、そこは今の静岡の高校生となんら変わらない。
勿論、静岡弁「・・・だか」「・・・だけん」「・・・じゃん」も随所に出て来る。

そんな静岡の風景が網羅され、あの時代の空気が小説のあちこちに漂う。

しかし、一番驚くのは、人間関係の密なことと、自分で考えようとする
バイタリティにあふれた高校生ばかりだということ。
引揚者、片親、貧困、病気が日常茶飯事の1950年代に、
自分の力で生きていかなければ、誰も助けてくれない事を
背伸びしながらも自覚し、行動している十代であること。

まさに時代が過酷にも彼らに試練を与える事で、
彼らがモラトリアムで居られない状況に放り出されている。
気の毒のような、でもうらやましいような充実した人生を垣間見ることができる。

この小説を知ったのは、2014年3月22日の日経夕刊の文化欄を読んだ時。
そんな小説があったのかと、早々に文庫本を買った。
500ページもある長編だったので、なかなか読む機会がなかった。
それが時間が余った今、4日で読んでしまった。

私が母校静岡高校を卒業して、今年で50年になる。
記念の同窓会が開かれるが、ぜひこの小説の話をしてみたいと思っている。

  


Posted by kittsan at 19:15Comments(0)本の事

2017年01月23日

私の腰痛(リハビリ)レポート その2

脊椎間狭窄症
腰痛対策最前線の記事によると、
腰痛には原因不明の非特異的腰痛(85%)と
原因が明確化出来る特異的腰痛(15%)がある。
重篤な特異的腰痛には腫瘍や感染、大動脈瘤によるものと、
それ以外の外傷、骨折や神経痛による腰痛に分けられる。

その内の神経症状の痛みがいわゆる坐骨神経痛。
さらに座骨神経痛の二大原因疾患が腰椎椎間板ヘルニアと脊椎間狭窄症。
厳密にいうとその2つの疾患は腰痛ではなく、
おしりから足にかけての痛みやしびれが主症状となっている。
20代から40代に起こりやすい椎間板内の髄核が飛び出るヘルニアと
高齢者に多い加齢によって脊椎間が狭くなり神経が圧迫される狭窄症。

重度の脊椎間狭窄症と診断された私は、左尻上腰部と左足親指人差し指あたりに
痛みと違和感を感じながら、良くなったり悪くなったりを繰り返してきた。
そして昨年12月12日、左腰に激痛が走り立っていられなくなった。

その後、激痛は収まったけれど、何故か左足に力が入らなくなってしまった。
足の親指を反らせると、右親指は普通に反るけれど、左親指は力なく反らない。
これはおかしいと即座に病院で診察を受けた。

「神経が弱っていて筋力が落ちています。痛みや痺れは解消するけれど、
麻痺状態は早く外科治療をしないと元に戻らない可能性があります。」
医者は早いうちに手術することを勧めた。



・・・・・続く。

  

Posted by kittsan at 06:42Comments(0) 私事

2017年01月19日

年寄りを NAMENNAYO !

最近外国映画に食指が湧かなくなった理由の一つに
陳腐なタイトルが多くなったという思いがある。
タイトルで内容を知らせようと焦るせいか、
原題と程遠いタイトルが増えている。

特にアート系の映画。
高齢者がお客様の為か、大きなお世話の過剰な親切。

(以下、最近公開された洋画から)

「ミス・シェパードをお手本に」  (原題 The Lady in the Van)
「ある天文学者の恋文」  (Collespondennce)
「奇跡の教室」  (Once in A Lifetime)
「奇蹟がくれた数式」  (INFINITY)
「92歳のパリジェンヌ」  (The Final Lesson)
「ストリート オーケストラ」  (The Violin Teacher)
「栄光のランナー」  (RACE)
「こころに剣士を」  (The Fencer)
「天使にショパンの歌声を」 (La Passion d'Augustine )

なんで 「La Passion d'Augustine(アウグスティンの情熱) 」が
「天使にショパンの歌声を」になる訳?




以前は原題そのままを日本タイトルにした洋画が多かったのに。

リバイバル公開された
「スモーク」
「ライク・サムワン・イン・ラブ」
なんかは想像力を豊かにさせる好例。

アカデミー賞最有力の
「ムーンライト」
も食指が湧く。

年寄りを NAMENNAYO !

  

Posted by kittsan at 08:20Comments(0)映画の事

2017年01月04日

中国へ行きたい!

正月三が日はいかがお過ごしだったでしょうか?

私は腰痛のためウォーキングが思うように出来ず、
もっぱらチャリで移動しました。

三日通い詰めたのは、静岡駅前の本屋「戸田書店」の二階。
静かな環境で本が選べるここは、私の大のお気に入りの場所。
そこで「中国歴史建築案内」TOTO出版を見つけました。

実は昨年、静岡市役所本館を見学した後、急に建築の本が読みたくなり、
玉井哲雄著「日本建築は特異なのか」「建築の歴史」
村松伸著「中華中毒」「書斎の宇宙」

など以前買いそのままになっている本を取り出した。

特に興味を引いたのが建築史家「村松伸」氏の
「中華中毒」(ちくま学芸文庫)。



中国オタクの村松氏は中国本土をはじめ、台湾、韓国、ベトナム、
それから日本の各地を駆け巡る。
その滞在記を含めて、中華思想が東アジアを覆い尽くすありさまを
各国の歴史建築から紐解いた東洋の古建築の膨大な資料。
その面白さは昨年読んだ本の中で群を抜いていた。

そして今年、その本に感化された私が出会ったのが
「中国歴史建築案内」(TOTO出版)。



中国の建築史家「楼慶西」氏が執筆し、中国でベストセラーになった本を
日本の建築史家「高村雅彦」氏が分かりやすく翻訳した中国建築の本。

紫禁城、天壇から寺院、民居に至るまで、また風水、装飾、色彩も章に含めて、
写真、図面、案内マップ満載の中国建築からみた、大国中国の姿を現しています。



今年はこの本をじっくり読んで、隣国でありながらなじみの少ない中国の歴史を学ぼう。
そしていつかは中国本土へ行き、紫禁城を見てこよう。

なんて、未来に初夢を託して、腰の痛みを克服しようと思う三が日でした。
  

Posted by kittsan at 12:23Comments(0)本の事

2016年12月29日

わたしがサプライズした・今年の映画ベスト3

映画好きの私が今年みた映画は15本。
昨年と同数で目標の20本に届かず残念。
観たかった「キャロル」や「怒り」などを見逃した。

「黒衣の刺客」  ホウ・シャオシェン監督(中国映画)
「恋人たち」  橋口 亮輔監督(日本映画)
「ハッピーアワー」  濱口 竜介監督 (日本映画)
「あの日エッフェル塔の下で」  アルノー・デプレシャン監督(フランス映画)
「レヴェナント 蘇えりし者」  アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 (アメリカ映画)
「山河ノスタルジア」  ジャ・ジャンクー監督(中国映画)
「団地」   阪本 順治監督(日本映画)
「シン・ゴジラ」  庵野秀明 監督(日本映画)
「ブルックリン」  ジョン・クローリー監督(イギリス映画)
「フェイク」  森達也監督(日本映画)
「オーバーフェンス」  山下敦弘監督(日本映画)
「ハドソン川の奇跡」   クリント・イーストウッド監督(アメリカ映画)
「淵に立つ」  深田 晃司監督(日本映画)
「この世界の片隅に」   片渕須直監督(日本映画)
「ジュリエッタ」  ペドロ・アルモドバル監督(スペイン映画)


以上、暇とお金を天秤に厳選してみた15本。
なんと、日本映画が半分以上。
外国映画に魅力がないのではなく、日本映画が例年になく多彩だった。
そのうちの特に好きだった3本。 (鑑賞日順)


日本映画  「ハッピーアワー」 濱口 竜介監督

一皮むけば見方を変えれば、6時間近くでも、もっともっと見ていたくなるほど
日常がスリリングであることを証明出来た稀有の映画。
出演者も監督も出すぎず、ありのままに見えるところがいい。




アメリカ映画 「ハドソン川の奇跡」  クリント・イーストウッド監督

ほどんどの彼の映画を見ているけれど、今まで立派すぎて好きでなかった。
この、臆病な機長像と端正なストーリーテリングが何とも魅力的で
心の底から拍手したくなった映画。





日本映画  「淵に立つ」 深田 晃司監督

登場人物それぞれの絶望感が神経を逆なでするように
常に緊張感をもって観ずにはいられなかったホラー映画。
判断が分かれるラストは救いがあることを祈らずにいられない。





来年の一番の楽しみは
亡き台湾の名匠エドワード・ヤン監督が1991年に発表した、
傑作『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』がデジタル・リマスターされ、
25年ぶりに日本で再公開されること。
静岡でも観ることが出来ればうれしい。


  

Posted by kittsan at 20:01Comments(0)映画の事

2016年11月18日

東西の宗教観が混在したようなホラー/日本映画「淵に立つ」

日本映画「淵に立つ」(深田晃司監督)
凄い映画だった。
そして、何よりも怖かった。

日曜日のシネギャラリーの夜の部は私が1番の番号札。
30分ほどロビーにいたけれど、誰も来ない。
このまま、一人でこの映画を見ると思うとぞっとした。
そのうち男性3人が入場して来たので、安心したけれど・・・。




地方都市で小さな金属加工工場を営みながら
平穏な暮らしを送っていた夫婦とその娘の前に、
夫の昔の知人である前科者の男が現われる。
奇妙な共同生活を送りはじめる彼らだったが、
やがて男は残酷な爪痕を残して姿を消す。

8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせから男の消息をつかむ。
しかし、そのことによって夫婦が互いに心の奥底に抱えてきた
秘密があぶり出されていく。



輪廻は巡り孫子の代までも、みたいな仏教的世界。
罪と罰、人間の原罪を描いたキリスト教世界。

そのどちらからものアプローチが混在して、
お気楽日本映画とは程遠く、監督、俳優を含めた、
真剣勝負を、襟を正してみるような映画。

身から出た錆とも言える不幸に撫でられているような主人公たち。
イラつき困惑し疲れ果ててしまう役どころの俳優たちの演技が凄い。

ひと気の少ない沈んだような地方都市の描写と
人間に覆いかぶさるような自然に囲まれた田舎の雰囲気も見事。

死へ追い込もうとする悪霊から必死で逃れようともがく
ラストの主人公たちの姿が感動的だ。

第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門・審査員賞受賞
静岡シネギャラリーで11月25日まで
  


Posted by kittsan at 09:21Comments(0)映画の事

2016年11月12日

New!ビスケットキングへ 行ってきました。

嘗て、我が町番町地区(研屋町)にあった静岡一美味しい
ケーキ屋さんと評判の、知る人ぞ知る「ビスケットキング」。
2011年に店を閉じた後、半年後藤枝でオープンの予定、と聞いた。
しかしず〜と店は始まらず、最近までオーナーの動向も分からなかった。

それが2ヶ月程前、閉じた店の近くの家具屋の息子さんが、
「ビスケットキングいよいよ藤枝で店を開けるそうだよ。」
そんな噂を聞いてからしばらしくて、私のブログにコメントがあった。

「ビスケットキングが藤枝田沼にオープンしましたよ。」
藤枝の<名も無い通りすがりさん>紹介の静岡新聞の記事にも
日本料理家が独自のサンドイッチを出す店として紹介してあった。

(Kittsan流) また会う日まで! 我が街の「ビスケットキング」
http://kittsan.eshizuoka.jp/e783186.html
(こだわりサンド発売 藤枝の日本料理研究家が考案)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161105-00000021-at_s-l22


そこで、私は早速藤枝へ行ったついでに寄ってみました。
煉瓦の壁と木戸に覆われ中が見えない以前の店と打って変わって、
全面ガラス張り、すぐケーキ屋さんと分かる店構え。



こざっぱりした白衣とキャップで忙しく店内を切り盛りしている女性に
ショーケースにあるケーキをオーダーした。
そして「北村さん(オーナー)はいますか?」と尋ねた。
女性はキョトンとした顔をして、
「私ですけれど・・・。」
「えぇっ?、随分若くなっちゃって、分からなかった。」
「あの頃は生活苦で、ひどい顔してたんですよ・ ・ ・。」
笑って答えてくれた後は、色々思い出話に花が咲きました。



さて、買ってきたケーキはモンブラン、レモンタルト、クラシックショコラ、
それにシュークリームとアップルパイ。

モンブランを一口食べてすぐ分かった。
紛れもなくあの、ビスケットキングの味。
締めるところは締め、まろやかな所はあくまでもスウィートに。
硬めの台の上に、とろける程のマロン入りのクリームの糸。
見た目はトッピングも少なく、無愛想な位の姿だけれど、
レモンを隠し味にして、舌に残らない甘みは
まさに大人の為のケーキの再会でした。

藤枝のビスケットキングでは、友人の西堀さんの作るサンドイッチも
欲しかったけれど、それは売り切れ。
「静岡のお客さんがよく来てくれるんですよ。」
10月27日にオープンしたばかりでまだ藤枝では馴染みが少ないようだけれど、
その内行列が出来る様になるのでは、
と、ちょっと心配な新しいビスケットキングでした。

Biscuit King (ビスケットキング)
藤枝市田沼1-26-26 B アイランド 1FB
TEL 045-637-2010
10時~19時 月曜定休


  


Posted by kittsan at 10:40Comments(0) 食物の事

2016年11月03日

ピアノコンサートで三つの有りえないハプニング

久し振りに妻とピアノのデュオリサイタルに行った。
会場は50人ぐらいのホールで、ピアノを囲むアットホームな雰囲気。
曲目はドビュッシーからストラビンスキーまで、
近代から現代への私のお気に入りの曲が揃っていた。




開演時間になって演奏者が入場すると同時に
ポポポポポ、ピピピピピッと、何処からか電子音が・・・。
「携帯の電源はお切り下さい。」のアナウンスがあったが鳴り止まない。
誰だろう?と思っている内に、はっと妻が私のバックを開けた。
あらら、そこで私のiPadが鳴っているではありませんか。
どうも誰かがFaceTimeで呼んだような形跡があった。
携帯も切ったのに、iPadから音が漏れたのは初めて。
不覚でした、ゴメンナイサイ。


前半最後の曲は私の大好きなラベル。
彼のえも言われない美しいピアノ曲「マ・メール・ロア」が終わりに近づいた頃、
斜め前方のご婦人が突然倒れかかる。
とっさに隣と後ろの男性が、椅子ごと抱えて場外へ連れて行った。
ざわざわしたけれど演奏はそのまま続けらて、私も曲が終わった後すぐ場外へ。
「大丈夫ですか?」
場合によっては心臓マッサージを必要になると思ったけれど、
幸い御婦人は意識を取り戻していて、ホッとした。


さて、一服して後半は大曲ストラビンスキーの「春の祭典」。
ピアノ連弾の為、2人のピアニストの指が交差し、何とも忙しい。
加えて楽譜めくりの担当者もいて、ピアニストが頷くとパッとページをめくっていく。
そのタイミングのいいこと。
不協和音に溢れ、演奏も終盤に差し掛かった時、演奏が突然止まった。
なんと、楽譜が倒れてどのページか解らなくなってしまったのだ。
ページを戻し、奏者が 「ここから。」と示して再びピアノが鳴り出した。
それから演奏は最後に向かって興奮のるつぼ化し、
演奏者も観客も一体となり、このハチャメチャ難曲の「春の祭典」にどっぷり浸っていった。


慌ただしくも二度と味わうことが無いだろう三つのハプニング。
いやいや演奏がどうのこうのと言う以上に
珍しい出来事で十分楽しませて頂いたコンサートでした。
  


Posted by kittsan at 09:18Comments(0)音楽の事

2016年09月20日

萩と秋明菊と彼岸花

9月に入ってから不順な天気が続いています。

だいぶ前、私が顔に帯状疱疹が出来て入院したのもこの頃、
今年は妻が初旬から熱が出たり引っ込んだりするので、
病院に行ったら軽い肺炎だったりして。



そんなこんなで、連休は家事に追いまくられています。
三度三度の食事の支度、洗濯機を回して物干しに行き、
ついでに金魚の水を替えたり、台所をかたづけ、風呂の掃除をしたり・・・。

朝のウォーキングとストレッチも忘れがちで、
腰の痛みも少しも衰えず・・・。
ノートが斜めに置いてあるだけで気になる几帳面な私が、
時々どうでもよくなれ、とふてくされ気味な毎日。



それでも、ごみ収集所に咲く白い彼岸花は
今年もつぼみが膨らんできました。
また、家の玄関の猫額の庭には、秋明菊の花が一輪。
そして、ご近所の庭園の垣根から溢れ出る枝の、
満開の萩の花が風に揺られて、こぼれ落ちている風景。
秋には秋の、可憐ではかない日本の花があちこちに咲いています。



蒸し暑かったり涼しかったり、重陽の9月は何とも曖昧な季節。
夏掛け一つでは寒くなってきた今日この頃。
忙しさに紛れて、キチンと生活を立てていないと、
私にもウイルスが忍び寄って来そうで、ご用心ご用心。
  

Posted by kittsan at 15:26Comments(0)季節の事

2016年08月30日

世の中はまずは自分の為にあり/映画「ブルックリン」

帰りたいほどに安らかな故郷
捨てたいほどに煩わしい故郷

異民族の中で習慣の違う人との
愛があっても貧しく不安定な人生に未来を託すか?
暮らしを共にし心置ない仲間たちの中での
愛する人と平凡であろうこれからに満足するか?

ふたつの国(アイルランドとアメリカブルックリン)
ふたりの男性(ジムとトニー)の間で揺れながらも、
前を向いて生きていく、等身大のヒロインの物語。



美しい映像と魅力的な風俗と丁寧な人物描写ではあるけれど、
テレビドラマレベルの都合のいいストーリー展開に物足りなさも。

それにしても、故郷を捨て親を捨て、恋人までも二股かけて、
他人の非難にもめげず、自分で選び人生を切り開いていく主人公の爽快さ。
オシャレなラストシーンも自分勝手なヒロインの姿そのままなんだけれど、
自立した女性なら彼女の生き方に大いに共感できるでしょう。

若い時、まずは自分の幸せを求めのは男の私でも解るなぁ。
若い女性で溢れていたこの映画「ブルックリン」の上映会でした。


  

Posted by kittsan at 20:25Comments(0)映画の事

2016年08月19日

私の腰痛(リハビリ)レポート その1

40代はスポーツウォーキング、
50代はエアロビクス。
少年時代はまともに的に向かってボールが届かなかった位の
運動オンチの小生が、20代になって身体を動かす爽快さに目覚め、
60代後半の今も運動を続けているのですが・・・・・。

2013年2月28日。
会社のショールームでお客様と雑談中、左後ろの腰の一部に違和感を感じた。
夕食を済ませたころからその部分に痛みが生じ、
そのうち立っていられないくらいの激痛が広がっていった。
寝られない夜を過ごし、翌朝は這ってトイレ行く始末。

これはたまらん、次の日は仕事どころか早々に整形外科病院に診察に出かけた。
腰椎4番と5番の間がつぶれているのがレントゲン検査で判る。
更に一週間後、MRIで調べてみるとその部分の血行が極端に悪くなっている。
「重度の脊椎間狭窄症です。」私の脊椎画像を見せて、整形医の診断があった。






そういえば、痛みが起きた数日前東京へ重い箪笥を運んできた。
また、その次の日もライティングデスクを市内のお客様へ納めている。
その頃腰への負担が大きい仕事が立て続けにあったせいかもしれない。

病院に通い始めてしばらく、妻が言った。
「ちょっと歩き方がおかしい。左足と右足で違っている。」
たしかに、左の腰から足にかけて痛みがあるのでかばうような歩き方。

次第に痛みが軽くはなってきているけれど、
激しい運動は無理のようで、泣く泣くエアロビ上級コースからは降りてしまった。
果たしていつかは、腰の痛は消えてくれるのだろうか。

・・・・・続く。

  


Posted by kittsan at 10:30Comments(0) 私事

2016年08月02日

団地族に疑われ異星人に助けられる / 映画「団地」

あの傑作映画「顔」に続く
阪本順治監督× 藤山直美主演の新作と聞いて、
期待したのですが・・・。



藤山直美、岸辺一徳、濱田マリら芸達者が揃って、
空気に染まりやすい団地族(人間)の醜態が
面白おかしく描かれていた前半は
秀逸の映画だったけれど、
後半、話がSFになって行くあたりからだんだんつまらなくなる。

だって、斎藤工ひとりだけで、その他の空気を読めない異星人に
団地族程の面白さがないんだもん。
主人公夫婦が団地族や異星人に翻弄される姿が
喜劇になるんでしょうに。

宇宙船の中と外の対比も、もう少し工夫してくれなくちゃぁ。
あれでは予算が無くて、異次元の世界が構築出来なかった
ふうにしか想像できない。

それはともかく、疑い深く疎外感が深まる人間関係と、
人助けと恩返しに努める異星人との関係の対比がいい。
そして、人情がらみのSFになってハッピーエンド。
天から何かが落ちてきて、元の家族になったんですね。

(静岡シネギャラリーで8月⒓日まで)  


Posted by kittsan at 09:25Comments(0)映画の事

2016年07月31日

安倍川橋は日本一のボーストリング橋

花火で賑わった「安倍川橋」は、
ある事が日本一の価値ある土木遺産だそうです。
先日ポストに入っていた「市老連だより」に面白い記事がありました。



現在の橋は、明治以降3代目で大正11年(1922年)7月に竣工。
安倍川橋と名付けられた。
鋼鉄製のトラス(複数の三角形による骨組み)構造で、橋長は450m。
静岡県下四大河川に架かる最初の永久橋で、
上弦材が放物線(折れ線で)を描くボーストリング(弓と弦)で
橋長と橋桁の数が日本一のボーストリングトラス橋である。
各部材は形鋼や板材がリベットにて組まれている。
鋼材は英国製で、工事は横河ブリッジの前身である
横河製作所が施行したという銘板がある。
安倍川橋は平成17年(2005年)に土木学会選奨の
土木遺産に選ばれた。
           (市老連だより・野田睦彦氏)




あの、旧国1 の安倍川に掛かる古式然とした鉄橋。
停車中、対抗車線の車が通るともの凄く揺れる怖い橋。
富士山に見とれながら渡る、昭和時代の川越橋。

私達にとっては「みろく橋」として馴染みの安倍川橋が、
橋長日本一の ボーストリングトラス橋として
記念碑的な遺産になっている。
この歳になって初めて知りました。





  


Posted by kittsan at 09:50Comments(2)建築の事

2016年07月23日

followする & シェアします。

最近気付いたfacebookの "followする" 機能。

友達にならなくても気になる人の情報は、
"followする"をポチッと押せば、
その情報が自動的にタイムラインに入ってくる。

友達であっても気が合わない人の情報は、
"followをやめる"をポチッと押せば、
その人の情報はタイムラインから消える。

自分の記事も同じ。
友達で無くても
"followする"が押されれば、読んでもらえる。
友達であっても
"followをやめる"を押されてしまえば、消えてしまう。

面識あり・顔あり・メッセージありを
友達リクエストにエクスキューズしている
自分にとっては都合の良い "followする"。

まあ、こうして囲い込みが広がって行くのだろうけれど・・・。


私の場合現在、友達でない4人の人を "follow" している。
いずれも社会に自分の意見を持って、自分の言葉で発言している有名人。
だから多くの人が見ているようで、”いいね!”も”コメント”も”シェア”も多い。

ところが、これらの人たちの記事への”コメント”のなかに
なんか気になって仕方ない言い方がある。
 ただ一言 「シェアします。」
 あるいは 「シェアさせていただきます。」「シェアさせてください。」

シェアしたい記事があった場合、私ならただ、”シェア”のボタンを押すだけか、
何か自分の言いたいことを書いてシェアする。
もし、コメント欄に書くとしても、「○○の理由でシェアします。」と書きたくなる。

私はやらないけれど、もしかしたら コメント欄に
「いいね!」も
「シェアします。」も
「followさせていただきます。」も
表示するのがエチケットで、より丁寧なのかしらん?
なにかヘン。


  


Posted by kittsan at 12:03Comments(0)ITの事