2009年08月24日

日本建築は特異なのか?

8月19日朝一番の新幹線で、
「国立歴史民俗博物館」のある千葉県佐倉市まで足を伸ばしました。
午前中は、国立歴史民俗博物館の企画展「日本建築は特異なのか」展へ。

日本建築は特異なのか?

「日本建築は特異なのか」という、奇妙なタイトルの「歴博」の企画展。
中国・韓国・日本の、古代から近世までの建築の比較と関連性を紹介。
宮殿、寺院、住宅などのカテゴリーに分け、建築模型などを通して解説しています。

たとえば、東アジア三国の宮殿の場の違い。
 中国(紫禁城) → 正殿(太和殿) → 庭(瓦敷き)
 韓国(景福宮) → 正殿(勤政殿) → 庭(花崗岩敷き)
 日本(京都御所)→ 正殿(紫宸殿) → 庭(白砂敷き)
それぞれの国の、政治的、文化的特性が見て取れます。

いゃ〜、面白い展示でした。
京都御所、ソウル景福宮、ともに行ってきたから、その違いがよく分かります。
都城のタイプも外敵との関係から、中国〜韓国〜日本に向かって解放的になっていきます。
これも、日本が島国であることの特異性なんですね。

また、寺院は仏教文化が浸透し、三国の共通点がありますが、神社は日本独特の物。
寺院には仏像があるが、神社には神の像はない。
だから、建築や、三種の神器等で、見えない神の姿を象徴しているんだそうです。

日本建築は特異なのか?

では実際に、日本建築は特異なのか?
「大きくは東アジアの普遍性があり、それぞれが独自性を示している。」
「文化や社会についても、同じような視点から考えられるのではないか。」
企画代表の玉井哲雄教授は述べています。

以前、妻が日本文化の交流会で、この玉井教授にチケットを頂いたんですよ。
おかげで、こんなに貴重な展示会に出会うことが出来ました。
教授と妻に、感謝!感激!です。



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Posted by kittsan at 09:03│Comments(2)建築の事
この記事へのコメント
 面白そうですね。
 「鬼門」の考え方も、中国が発祥地で、中国の中心部(中原)から見て、北東方向からの異民族(匈奴:鬼)の進入を防ぐ考え方が元のようです。
 島国の日本には、全く関係の無い方向の「北東」が「鬼門」の考え方として輸入されて、京都御所の北東の角も「隅切り」になっています。更に、その角には・・・確か・・・「猿」の彫り物が・・・あったような・・・無かったような・・・。うろ覚えの知識ですみません。
Posted by クマクマ at 2009年08月25日 17:48
Thanks クマさん。

そうなんですか。
「鬼門」の件、興味が沸きました。

都城についても、長安は城壁で囲まれ、左右対称が厳密に守られていたそうです。
ソウルは起伏の多い土地柄で、厳密性が薄れ、風水思想に影響を受けた。
平城京は長安に比べ規模が小さく、かなり自由な都市計画だったそうです。

以上、解説の受け売りです。(笑)
Posted by kittsan at 2009年08月26日 08:55
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    コメント(2)