2009年12月12日

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

美術、工芸品の宝庫である、ウィーン。
しかし、家具に関しても、素晴らしい歴史があることを知りました。

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

宮廷家具博物館

リング内の旧市街より少し離れたところにあります。
ほとんど人がいない静かな環境で、ハプスブルグ家代々の家具を見ることが出来ました。


ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

まず、驚くのは、王宮などで使われていた家具、調度品の膨大な数。
 箪笥コーナー、鏡台コーナー、椅子コーナーなど、アイテム別の展示。
 王宮や、シェーンブルン宮殿の部屋を想定し、映画でその時代を紹介した展示。
さらには、中世から現代へと変わっていく家具のデザインをルームごとにコーディネートした展示。


ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

クラシックからモダンまで、歴史の中で花開いた家具の数々にしばし時を忘れ、見入ってしまう。
それに、なんとここは、撮影OKなので、好きな家具を撮り放題。
パンフレットと共に、私の大切な家具財産となりました。


ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

応用美術館(MAK)

家具、ガラス磁器製品、テキスタイルなど、歴代の工芸品から、現代の生活具まで。
また、工芸美術学校も併設し、総合的なデザインの殿堂となっています。

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」

トーネットの椅子コレクションに代表されるユーゲントスティールの展示。
その前のわずかな時代に花開いたビーダーマイヤー様式のエレガントな家具調度の展示。
さらには、ヨーロッパ人好みの、日本など東アジアの仏像、陶器、漆器のコレクション。

アカデミックな空間の中で、一日ゆっくり過ごしたい工芸美術館です。
ミュジアムショップも楽しく、なんと日本のデザイン軍手も置いてありました。


レオポルド美術館の中にも家具展示室があります。
ヨーゼフ・ホフマンらのウィーン工房から生まれた家具の何と魅力的なことか。

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」


さらには、ウィーン街中の家具ショップも充実しています。
その一つ、「マルクト」のガイドブックで紹介された「リヒターロー」も覗いてみました。
日本では見られない1920年代以降の名作家具がゆったりと展示されています。
また、地下にはアンティーク家具がずらり並んで圧巻です。

ウィーン・ア・ラ・カルト「家具編」



家具を工芸品として捉え、歴史をきっちり遺産として収める博物館、家具店があるウィーン。
建築や美術品の保存にはお金を掛けるが、家具はなおざりにされている日本の都市。
韓国に行ったときも思いましたが、改めて日本は家具文化に乏しい国だと思わざるをえません。

しかし、生活様式が変わっても、日本の伝統的な家具調度品をもう一度見直すこと。
日本人のスケール感と繊細な美意識を大事にし、若い人に伝えていくことが出来れば、
日本の家具の未来は、けっして暗くないと思います。


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