2011年08月04日

相逢不相識 共語不知名

妻が、娘の誕生日のために買った本を、私が読む。

禅語 【石井ゆかり・文 井上博道・写真】

「禅語」とは、茶室の掛け軸に書かれるような、仏教の名句や中国の詩句の総称、とある。
人気占い師「石井ゆかり」さんが解説し、写真家「井上博道」さんが美しい風景を載せた。

その最初のページにある言葉。

相逢不相識 共語不知名

相逢不相識 共語不知名
<相逢って相知らず 共に語りて名を知らず>
・・・・・
「僕の友達で、クリームソーダのさくらんぼが浮いたり沈んだりするのを見て、
 『ここに人生がある』って切々と語るやつがいるんだけれど、
  僕はそいつがすごく好きなんだ。」
彼は聡明かつ博識で、哲学的で、卓抜なユーモアのセンスに恵まれ、
人間への関心と博愛にあふれた人だった。
・・・・・
この彼の何げない言葉を私が忘れないのは、彼の人への対する態度が、
ここにありありと現れているからだ。
彼は、相手がどうでもいいようなことの中に何を発見する人間なのか、
そこにしかおもしろみを感じないのだ。
・・・・・
お互いのことを何も知らず、名前も知らないまま話し込む。
公園で、列車の中で、居酒屋で。
そこで語られることには、損得や利害関係、立場性などは一切切り込まない。
では、何のために語るのか。
何のためでもない対話。
これほど心弾む対話はない・・・と私も思う。(石井ゆかり)


相逢不相識 共語不知名

facebookのなかで、どうでもいい日常を、おもしろく語り合う。
unnoteさん(アメリカ旅行中)のように、旅先で偶然出会い、
知らない人と会話を交わしあう。

私も、被災地に行く旅の中で、どんな人たちと出会い、対話をするだろう。



同じカテゴリー(本の事)の記事画像
1950年代の静高生を描いた小説/三木卓著「柴笛と地図」
中国へ行きたい!
五月晴れの一日、登録有形文化財「鈴木邸」を訪問
朝日新聞連載、漱石の「こころ」を読んで。
話題の発言に被るメンズセクシャリティの本/森岡正博「感じない男」
カズオ・イシグロ著「日の名残り」を読む。
同じカテゴリー(本の事)の記事
 1950年代の静高生を描いた小説/三木卓著「柴笛と地図」 (2017-02-01 19:15)
 中国へ行きたい! (2017-01-04 12:23)
 五月晴れの一日、登録有形文化財「鈴木邸」を訪問 (2015-06-01 07:50)
 朝日新聞連載、漱石の「こころ」を読んで。 (2014-09-27 09:06)
 話題の発言に被るメンズセクシャリティの本/森岡正博「感じない男」 (2013-05-18 07:06)
 カズオ・イシグロ著「日の名残り」を読む。 (2013-03-26 10:11)

Posted by kittsan at 09:01│Comments(2)本の事
この記事へのコメント
これいい本ですね。
書店で見つけて欲しくなり、
帰ってからネットで買おうと思ったら在庫が無いようで...
やはりいいなと思ったらその場で買わないとだめですね。

「まなざしの記憶/鷲田清一」なんかお好みかも。
Posted by sue at 2011年08月10日 10:15
Thanks sueさん。

妻がクレマチスの丘の売店で見つけたようです。
とてもきれいな本で、私が楽しんでいます。

鷲田清一さんの本、いくつか読んだことがあります。
私の好きな作家の一人です。
「まなざしの記憶」ちょっと捜してみます。
Posted by kittsankittsan at 2011年08月12日 02:53
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
相逢不相識 共語不知名
    コメント(2)