2009年10月10日

30代の若者の今

今週水曜日の、NHK「クローズアップ現代」。
「"助けて"といえない〜30代になにが?」
というタイトルで、30代の若者たちの、ある姿を取り上げていた。

30代の若者の今

30代のホームレスが増えているという。
30代の失業者80万人(前年同月比31%増)。

北九州市で孤独死した男性をクローズアップ。
雇用の枠から外れて、困窮に陥り、多重債務に。
生活保護の窓口を訪れても、友人の親に食べ物を分けてもらっても、
最後のところで「助けて欲しい。」と言えない。
結局、9円残して、何もなくなり、饑餓により死亡。

登場する多くの若者が、ホームレスと気付かれないよう身ぎれいにしているそうです。
こうなったのは、努力が足りないんだと、自分を責めたてる。
そういう自分の姿を肯定出来ず、親兄弟、友人にも打ち明けない。

自分の無知を恥じるばかりですが、
未来ある若者の現実の姿に、唖然としてしまいました。

「早く助けて!と言わなければ。そんなことしてたら死んでしまうよ。」
とテレビを見ている方は、いたたまれなくなるけれど、
衣食住を、社会から奪われた者には、満たされている人の声なんて届かないのでしょう。
心だけは奪われまい、という思いからか、彼らの状況は益々悪くなっていく。

野宿している若者に、支援団体のボランティアが、
「困ったことがあったら、ここへ来てください。何か解決方法があるはずです。」
と、ひとりひとりに封筒を渡していく。

「相談窓口を単純化し、簡単に相談に乗れるようなシステムが必要。」と番組解説者は言う。

30代の若者の今

一方、弊社の取引のある、会社の社長も30代。
かつては、取材も受けるほど、商品を売る能力にたけた優秀な営業マン。
物流の流れを研究し、時代の傾向を的確に読んでいる。

物静かで、礼儀正しく、好印象。
高感度のネットワークを持ち、多くのスペシャリストを動かしている。
そして、ビジネスを補完するため、新たな会社の設立を目論んでいるそうです。

単純にいえば、勝ち組みと負け組みのそれぞれの姿。
しかし、ともに己を追い立て、常に緊張の中に置いている有様が見えてくる。

厳しい時代に青春を迎えた、団塊ジュニア世代。
親の世代とは、真逆な方向に向かっている時代に、生きている彼ら。
戦後、ゼロから立ち上がった、私たちの親の姿がダブってきます。


(画像の絵は エゴン・シーレ[Composition with Three Male Nudes] 
       リヒャルト・ゲルストル[Self-Portrait as Semi-Nude] 
                  ウィーン・レオポルド美術館のカレンダーより)



同じカテゴリー(社会の事)の記事画像
54,412票!
自分の子供が選挙に出たなら・・・。
遅れてきたポスター
参議院選、必ず投票します。
インテリジェンスの力、きみたちどうなんだ?
東山旧岸邸の華麗なる家系図
同じカテゴリー(社会の事)の記事
 言葉は言い様 姿は見せ様 (2016-07-16 10:02)
 54,412票! (2016-07-12 11:44)
 自分の子供が選挙に出たなら・・・。 (2016-07-09 10:30)
 遅れてきたポスター (2016-07-07 08:30)
 参議院選、必ず投票します。 (2016-07-05 08:30)
 インテリジェンスの力、きみたちどうなんだ? (2015-05-13 09:16)

Posted by kittsan at 09:02│Comments(4)社会の事
この記事へのコメント
先日はありがとうございました。すごくおいしいブドウでした。
またお店に寄ってくださいね。

それと、ブログ始めてみようと思います!
Posted by inblooms at 2009年10月10日 22:44
inbloomsさん、コメントありがとうございます。

先日はお世話になりました。
貴重なお話しを聞かせていただき、
たいへん参考になりました。

ブログ、楽しみにしています。
これからも、よろしくお願いします。
Posted by kittsankittsan at 2009年10月11日 23:51
日本の雇用関係の変化、私も一人の経営者として寂しさを禁じえませんでした。常々社員には家族を大切に、親孝行をしなさいといい続けております。会社は2番目でいいよとも申しております。「変わりはいくらでもいる」よくそんなことが言えるものですね。自分の目で採用した社員を大切にできない企業が伸びるとは決して思えませんし、本来の日本人の心を忘れた最悪の会社だと怒りを感じました。当社は、今一番厳しいといわれている地方の建設業です。20名そこそこの会社ですが、産休も育児休暇も十分にに取っていただいております。「お産後に帰る所があるって幸せです。」女子社員の言葉です。保育費も手当てとして半額支給しております。これが本来の日本の企業だと信じるからです。なかなか休みも取れない中で、真剣に働いてくれる社員に感謝の言葉しか出てきません。「自分が悪いとしか言えない」さびしいですね。どうぞ悩んでる皆さん、私どものような家族的な、本来の日本企業もあることを信じてがんばってください。
Posted by 池田祐治 at 2010年01月21日 21:19
池田祐治様。
コメントありがとうございます。

御社のような企業が増えることを望んでいます。
社員の顔が見えな大企業では、人を物としか見ませんから、
中小の企業が若者を大切に育てていく可能性があると思います。

我が社も、人と製品を大切にしていきたいと思っています。
Posted by kittsan at 2010年01月23日 12:15
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
30代の若者の今
    コメント(4)