2011年04月28日

現実と映画のはざまで/映画「ヘブンズストーリー」

5時間近い、壮大な長編日本映画「ヘブンズストーリー」を見るために、
前夜は睡眠時間をたっぷりとり、上映の2時間前にチェックインし、準備した。

昨年の日本映画ベスト作品「悪人」「告白」以上に見たかった映画。
初日同日、原発学習会が2カ所であったけれど、スルーして、この映画を見た。

現実と映画のはざまで/映画「ヘブンズストーリー」

家族を殺され1人になった娘、妻子を殺された夫などの犯罪被害者。
その動機なき殺人の加害者の青年、その身元引受人となる痴呆症の女。
過失致死を犯し、復讐代行を引き受ける元警官。
複数の殺人事件に関わった彼らが絡みあって、7つのストーリーが展開していく。

いやはや、すさまじい憎悪と暴力の連鎖の物語で見た後はぐったり疲れた。

愛することを知った人は、憎むことも引き受けなければならない。
一度、大切な人を奪われた人は、幸せになってはいけない。
一生、被害者に対する罪の意識と、加害者への復讐の憎悪の世界に生きなければならない。

人間は、そういう業(ごう)のようなものから、逃れられない。
どこまでも踏み込むでいき、永遠に心の解放をもたらさない
「ヘブンズストーリー」を最後まで見て思う。

たまたま地震と津波に遭遇し、生活のすべてを失った人たちの、明日はいかばかりだろう。
さらに、生命を絶たれた多くの人々の無念は・・・。

私は運良く、その日、その場所に居なかっただけ。
その不条理をどう考えたらいいか解らない。
原発の不安だけしか目の前に見えていない、自分の後ろめたさも含めて。



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Posted by kittsan at 09:12│Comments(0)映画の事
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