2011年05月12日

中国の現代風俗スケッチ/映画「スプリングフィーバー」

今年の連休は仕事半分、休み半分。
期間中に数組のお客さまが「吉蔵」を訪問して下さいました。

スカイプ教室に参加したり、近場の温泉に行ったり。
そうそう、FM清水のスタジオに呼ばれ、ゲスト出演もしましたっけ。

そして、雨の一日、鈍行で浜松へ。
話題の映画「スプリングフィーバー」を見にシネマイーラへ出掛けました。

中国の現代風俗スケッチ/映画「スプリングフィーバー」

中国で映画製作を禁じられたロウ・エイ監督が描く、最も純粋なラブストーリー。

夫ワン・ピンの浮気を疑う女性教師リン・シュエは、その調査を探偵に依頼し、
相手がジャン・チョンという”青年”であることを突き止める。
やがて、青年と探偵ルオ・ハイタオが愛人関係に発展していくため、
夫婦関係は破従し、夫は自殺してしまう。
一方、探偵の女友達リー・ジンは、
働く工場長の強引な誘いに戸惑い、探偵に助けを求めている。
奇妙な三角関係に発展した3人は、その後生活を捨て、放浪の旅に出る。

デジタルカメラオンリーで撮影した荒々しい春の風景。
まだ、古都の面影が残る、南京の街並み。
折に付け画面に流れ、謡われる中国の「散文/詩」。

男同士のsexは、格闘技のように暴力的であり、
女達の、狂おしいほどの愛への渇望は、見ていて痛々しい。
ただ、そこからの人間関係の再構築がないのが物足りない。
中国映画の現状と、日本や欧米の社会の自由度の違いでしょうか。

現代中国風俗スケッチの上に、古典的な漢文を被せて。
ロウ・エイ監督は、抜群のセンスで、中国の人々の不安な姿を描き切っています。

春風 沈酔的 晩上

”こんなやるせなく春風に酔うような夜は、
  私はいつも夜明けまで方々歩きまわるのだった。”
        「春風沈酔の夜」 郁達夫(ユイ・ダーフ)





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Posted by kittsan at 09:21│Comments(0)映画の事
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