2013年01月22日

やっかいな生と性に素直に感動/映画「ふがいない僕は空を見た」

もの凄く評判が良くてと言うわけでもなく、
何となくタイトルが面白そうなので見た今年最初の映画。
「カミハテ商店」をやめて「ふがいない僕は空を見た」を鑑賞。

みずみずしくすがすがしく、生きていることの素晴らしさを描く日本映画だった。
ベテラン監督という構えがない(タナダユキ監督)から
こんな素直な映画が出来るんだろうな。

やっかいな生と性に素直に感動/映画「ふがいない僕は空を見た」

後から知ったけれど、R18指定。
高校生が主役の映画なのに18才未満は見られません。
確かに性描写はセリフも映像もあけすけだけれど、それは単なる断片。
彼らが暮らす日常のリアリティの凄まじさが、私たちの心をわしづかみにする。

援助交際から始まって、次第に恋心を抱くようになる男子高校生。
子供が出来ないことを姑からなじられて、うろうろする主婦とその夫。
極貧のなかで、親に捨てられても祖母を見限ることが出来ない少年。
ノー天気に自然分娩を望む妊婦と生命のはかなさを知っている助産婦。

産み落とされた環境や、どうしようもない性の属性に振り回されながらも、
もがき悩んで何とかそれを乗り越えていこうとする主人公達。

「偉そうなこと言ったって、孤独では何も起こらないんだよね。
 人と人とがくっついたり離れたりして、前へ進んで行くんだよな。」

そんな当たり前の事が、気持ちいい感動で満たされた久しぶりの日本映画でした。

やっかいな生と性に素直に感動/映画「ふがいない僕は空を見た」

この映画、原作があります。

窪美澄 著「ふがいない僕は空を見た」(新潮文庫)
      第24回 山本周五郎賞受賞 
      2011年本屋大賞2位 
 
こちらは更に素晴らしい。
読んでいくうちに、こころの中がどんどん純化されていくような小説でした。



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Posted by kittsan at 09:15│Comments(0)映画の事
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