2010年11月26日

静月庵にて炉開きを楽しむ

二ヶ月に一度の割りで、茶会を楽しむグループ「遊子連」。
今年でもう、10年になります。

それを記念しての、今月の茶会。
駿府公園内にある。紅葉山庭園「静月庵」にて催されました。
久しぶりに私も和風スーツに身を固めて、妻や友人と共に出掛けました。

静月庵にて炉開きを楽しむ

さて、ご存じとは思いますが、茶の湯の世界ではこの時期が年の替わりで、
茶人の正月と言われます。
風炉を閉じ、炉を開くいわゆる「炉開き」の儀式を行います。
茶壺の封を切って、その年の新茶を初めていただく「口切の茶事」を行う場合もあります。

今年の11月9日は、旧暦の十月四日で、
月日に十二支を当てはめていくと、亥の月・亥の日に当たるそうで。
その亥の月・亥の日に、茶家では、風炉を閉じ、炉を開くのだそうです。

「遊子連」もこの慣習にのっとり、炉開きで新しい年を祝いました。

静月庵にて炉開きを楽しむ

待合いでいただくそば茶で身を温め、いざ茶室へ。
点々と灯る露地行灯に道案内されて、水音が響くつくばいで手を清める。
薄明かりの向こうに見える、茶室のにじり口をくぐり、礼をして床の間を拝見。

静月庵にて炉開きを楽しむ

床の間には、炉開きになくてはならない椿が一輪、清楚な姿でお出迎え。
掛け軸に一筆、「鳥啼山 更幽」 (鳥啼いて、山更に幽なり)
鳥の一声が、更に山の奥深さを象徴する漢詩です。

炉開きと記念茶会にちなんで、先ずは濃茶の振る舞いの儀。
黒楽茶碗を、3人で受け渡ししながら、深緑のねっとりした茶を回し飲みをする。
主菓子の甘みと、濃茶の苦みがほどよくブレンドし、口の中が清涼感で満たされる。

続いて二服目。
干菓子をいただいた後、それぞれ趣の違う茶碗で、薄茶をたしなむ。

「おさきに。」
「ご相伴させていただきます。」
「お手前頂戴いたします。」
主人と客人同士の挨拶と、和やかな会話。

日本の茶の文化の、もてなしのこころが随所に感じられる、至福のひととき。
闇の中に浮かぶ灯りも弱まり、夜が静かに更けていきました。


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Posted by kittsan at 09:00│Comments(3)季節の事
この記事へのコメント
こんにちは。

お茶会、いいですね。
想像するだけで気持ちがすっとします。
余分なものがなくて、ぜんぶがシンプル。
紅葉山庭園の茶室で一席・・・すてき。興味ありありです。
こちらの会は、飛び入り参加は難しいのでしょうか?
Posted by tokotoko at 2010年12月05日 16:57
tokoさん。
コメントありがとうございます。

気軽な仲間うちでの茶会「遊子連」です。
主人(主催者)はベテランの女性ですが、客人は素人ばかりです。
彼女の形式張らない、手作りのもてなしに、いつも心が安らぎます。

2ヶ月に一度の例会。年によって、奇数月と偶数月になります。
曜日は、ほぼ第4水曜日。午後3時〜午後8時の間。
会場は、通常はアザレア(男女共同参画センター)3F茶室。
会費は1000円です。

もちろん、どなたでも参加できます。
新しい方、大歓迎です。
懐紙や黒文字(楊枝)は各自持参ですが、こちらでご用意も出来ます。

まずは、お気軽にお出かけ下さい。
unno社長も、一度お招きしたことがあります。
次回の日程が決まりましたら、お知らせしますね。
Posted by kittsan at 2010年12月06日 08:30
次は初釜か、夜咄でしょうか。
お伺いできたらいいなあ!
美味しい和菓子をいただきたいです。
またお知らせくださいませ。
Posted by toko at 2010年12月06日 14:02
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    コメント(3)